当サイトの掲示板で興味深い研究発表がありましたので、こちらで発表です!
(投稿者 えのやんさん)
研究対象品は、アマゾンで販売していた、激安ピックアップ、ARTEC A1-OSJ 1900円です。
アマゾンは値段がコロコロ変わるので、今が安値かな~。
以下、えのやんさんの投稿内容をほぼそのまま引用してます。
パッケージ、取り付け方
パッケージの見た目。
取り付け方
パッケージには、はり付けようのガムと、両面テープが1つずつ入ってます。
ガムは手でこねて、写真のようにのばし、ピックアップとギターの接着に使います。
案外強力でかんたんに落ちたりはしません、シールドをさしたまま持ち歩いても大丈夫でした。
はがすのも簡単で、かつ何度か使えるようですが僕は念のため「ひっつき虫」を購入しました。
ピックアップは、5ミリ以上厚みもあるし、直径も500円玉くらいありそうです、重さも割とあります、接続のジャックは標準フォンです。
ナイロンギターに装着
今、知人から預かっているYAMAHA G-80Aというガットギターに装着してみた。
このピックアップは、はり付ける場所で音が異なるので、ブリッジ付近の、高音弦側、センター、低音弦側の3カ所で音を録ってみた、録音条件は
・プリアンプなし
・ZOOMR8にライン接続
・すべての音源の録音でZOOMR8(レコーダー)の録音レベルは同一設定
である、ただこの定価8000円のギターは、40年の時を経て恐ろしく「鳴る」ギターになっており、音量だけ見ればプリアンプは全く必要ない。
スチール弦のバージョンと比べてもらっても一目瞭然です。
高音側から低音側にうつるにつれて低音はよく拾うようになるけど、全体として解像感に乏しくてぼけた感じの音になっていく。
ナイロンだとイコライジングが必要かもしれない。
スチール弦ギターに装着
HISTORY NT-303に装着してみた。
録音条件、録音レベルはナイロンの場合と全く同じです。
ナイロンに比べて相当に音量が小さくなりました。
ただ、低音側に張ってもぼけた感じはあまり強くないと思います。
このギターの場合だとセンターが一番バランスが良い感じでしょうか。
スチール弦+パラアコDIで試す
音量不足を補うためにパラアコを入れてみた。
パラアコの設定は、アウトプット、低音補正、高音補正が1時から2時くらい、後のつまみは12時です。
音量的に十分なレベルにできます、音質補正で張りも出てきましたが、これはまあ好みの範疇でしょうか。
ただ、このマイクはノイズレベルがほぼゼロと言っていいくらいローノイズですから、少々音量を上げてもノイズが拡大されることはありません。
スチール弦+パラアコDI+リバーブ
上のセンターパラアコDIの状態にリバーブを加えてみました。
リバーブ処理で少し音量が落ちたので、コンプで持ち上げたバージョンも作ってみました。
スチール弦(ZENN ZD100CE)+パラアコDI+リバーブ
ちょっとギターを変えて見ました。
不思議なことにHISTORYよりも音量があります。
マイク位置はいろいろ試したんですが、低音が結構強く入るので「高音側」に貼り付けました。
コンプ処理で持ち上げなくても十分な音量になります。
感想など
1900円という値段を考えると、かなり健闘しているのではないかと思います。
音はアンダーサドルのピエゾとマイクの、ちょうど中間かマイクよりの感じです。
今回の実験の中では、『スチール弦+パラアコDI』で試すのパラアコを通した音が自分は好きです。
ギターや音の好みによって適正な貼り付け位置も変わってくると思うので、それを見つける必要はありますが、そのあたりの作業を楽しいと思えれば買いでしょうか。
ただ、両面テープではなくガムを使用するなら、貼り付け位置を変えるのそう大変な作業でもありません。
慣れれば、ヘッドホンでモニターしながら、右手で聴診器を当てるようにして音を聞き比べるなんてこともできます。
あと驚いたのはノイズの少なさです。
パラアコで持ち上げ、コンプで持ち上げても、弾いてないときの波形はほとんど棒一本に見えます。
一応「マイク」なんで、サウンドホールに向かって大きな声でしゃべればその声も拾ったりしますが、普通の環境雑音を拾うと言うことはあまりないと思います。
総評としては「良いおもちゃ」です、ただしこれをちゃんと使おうと思えばやはり、プリアンプは欲しいと思います。
もちろん絶対にと言うことではなく、ノイズが少ないので録音のゲインを上げたり、録音後にコンプで持ち上げたりと言うことも十分に可能です。
音のニュアンスとしては、基本的にギターの音を忠実に拾う感じはありますが、やや中域の中抜け感というのも感じます。
このためギターによっては音が安っぽく聞こえることもあるかもしれません
ただ、このピックアップは同じギターでも貼る場所やはり付け方で音が変わりますし、ギターとの相性というのもおそらく相当あると思われるので、今回の実験程度の比較では善し悪しの判断は難しいとも言えます。
個人的意見ですが、メインの録音システムとして考えるのはちょっと厳しいけれど、そこそこいい音だし、値段を考えればいろいろと遊べて楽しいアイテム、要は「使い方次第だね!」を結論とさせていただきます。
あと、貼り付け位置だけではなく、貼り付けがガムか両面テープかによっても音が変わるそうですが、今回がすべてガムを使ってます。
以上ご静聴ありがとうございました(爆)!!!!
両面テープで貼ると・・・
ギターにもよる、というのが前提ですが、以下のような雰囲気の音になりました。
・音量は確実に大きく拾えます(HISTORYの場合だとプリアンプ不要なくらい)
・ただ、なんというか音が全体に安っぽくなるような気がします
音量アップは良かったのですが、はがすときにギター側に両面テープが残ってしまい、上手くはがすのに四苦八苦です。
はがし傷も嫌なので、慎重にやってると5分くらいかかってしまいました。
位置が決まって動かさないなら良いですが、位置探しの途中とかだと、ちょっと両面テープはないです。
やっぱガム系の接着の方が扱いは楽です。
貼り方と音の関係については、ピックアップは異なりますが以下のような研究もありますのでご参考にどうぞ。
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