弦高調整(TUSQ)

 現在所有しているS92Ⅲの弦高は12F6弦が2.5mm程、1弦側が2.0mm程です(20100221)。ソロギターのしらべ著者の南澤さんのS121-spは12F6弦側が2.0から2.2mmに調整されているそうです。弦高が低いと明らかにセーハやバレーコードが弾きやすいので、他の所有しているギターも調整しました。
 なお、サドル、ナットの高さ調整、及びネックのねじれ調整で、弦高は調整できます。低すぎると、弦とフレットが干渉してしまってマイナスになりますので、調整は自己責任でお願いしますね^^

 サドル調整(Woodware axiom LNS600SC)

 (重要)サドルを削りますので、専門家でなく、ご自身でやる場合は、購入時のサドルはそのまま保管し、楽器屋さんで調整用のサドルを買ってきましょう。高級品?のTUSQ製のサドルでも800円程度です。

ピックアップの確認

 今回調整するギターはピックアップが搭載されていません。サドルの下にピエゾ式のピックアップがある場合は傷をつけないようにしましょう!
 で、今回のギターには親切心なのか、そのピエゾ分のスペーサーが2枚も入っていたので、このスペーサも購入時のサドルと一緒に取り外しました。なんか明らかに響きに悪そうな素材でしたので^^;
 順番が逆になりましたが、調整前の弦高は12F6弦が3.0mm程、1弦側が2.5mm程です。ピエゾ分のスペーサを外すので、丁度新しく購入したサドルを同じ大きさに加工すると、スペーサの分だけ下げれそうです。

サドル写真

 画像上が、今回購入したTUSQサドル。下が装着されていたサドルです。
 厚みが若干厚く、長さも若干長く、高さは1.5mm程高いので、紙やすりで削ります。荒削りは#150程の布ペーパーで行い、仕上げは#800、#1200の耐水ペーパーで磨きました。

厚み調整

 購入したサドルが厚いため、平らな机の上で、両側を削りました。その際に斜めに削れないように向きをかえ・手をかえ・指をかえと平行になるようにしました。
 サドルとブリッジに隙間が空けば空くほど響きが悪くなるそうです。

厚み確認

 荒削りの段階でキツキツ位が丁度いいかと思います。耐水ペーパーで磨くと思った以上にスッポリ入ります。横の長さも調整し、横角を丸めて、、一旦耐水ペーパーで磨き丁度収まるか確認します。

マーキング

 取り外したサドルと、新たに購入したサドルのトップを合わせて、削る箇所のマーキングをします。始めに下側から行いまいした。特にピエゾ式のピックアップを搭載している場合は、このサドルの底が平でないと音を綺麗に拾わなくなるそうです。
 サドルのトップも同じようにマーキングし削ります。なおこの時、専門家だとオクターブ調整ができるのですが・・・私はなるべく同じように削っただけです。
 なお20100221現在、新しいサドルだと全部の弦の12Fの音がほんの若干高いので、次回弦交換時に支点がブリッジ側に移動するように削ってみます。

仕上げ

 ほぼ同じ形に仕上がりました。耐水ペーパーで磨いて完成です。
 初めての作業の割には、自分ながら上出来な結果です^^

完成

 完成写真です。弦を張ると、12F6弦が2.5mm程、1弦側が2.3mm程です。0.5mm程の差は大きいですね。バレーのFコードが軽い力で押さえられます。
 弦も替えた為、違いがわかりにくくなりましたが、音は明らかによくなりました。録音したのを聞くと、前と違ってふくよかな響きです。
 800円の材料と少々の手間で、これだけ弾きやすくなって、音もよくなるなら、もっと早く取り掛かればよかったな~^^

 ネック調整

 第1Fと最終Fの両方を押さえて、12Fの部分の弦とフレットの間が大きくあいていたら順ぞり、反対にベッタリくっついていたら逆ぞり。ネックは若干順ぞり気味がベストで、弦とフレットのすき間が0.5mmぐらいならOKだそうです。
 ネックを上にして、トラストロッドを時計回り(「の」の字の向き・ねじを締める方向)に回すと順ぞりが直ります。
 反対に、反時計回り(「の」の字の逆向き・ねじを緩める方向)で逆ぞりが直ります。
 回しすぎるとネックに負担が掛かります。45度ぐらいづつ確認しながら行いましょう。

 TUSQ(サドル)

 今回のサドル調整で、Woodware axiom LNS600SCのサドルをTUSQ製にしました。このTUSQはモーリスの高級ギターに採用されている素材でS-92Ⅲもこれを採用しています。宣伝文句には「象牙にも勝るとも劣らないクリアーでリッチなサウンドとサスティーンが得られます。」と書いています。
 で、これが思ってた以上に効果がありました。ピエゾ系のピックアップを入れるためのスペーサーをとったためか、弦が新品なためか、確かな事はわかりませんが、音がリッチになりました。録音した音を聞くととてもわかりやすいです♪

 試奏曲は、はじめてのソロギター入門(エチュード#3 スリー・フィンガー)です。
(2010年02月09日録音)
 このギターの紹介記事を書く際に録音した曲です。(交換前)
 試奏曲は、はじめてのソロギター入門(エチュード#3 スリー・フィンガー)です。
(2010年02月21日録音)
 今回の弦高調整後に録音した曲です。(交換後)

 両方の録音とも、音量の調整しかしていません。明らかに後者の方がカドが取れて、ふくよかな響きになっています^^

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